短期、中期、長期投資の違い:投資に適した期間とは? 事例まで解説

2024.09.26

投資を始めるタイミングでは、商品を決めるのは大切な要素です。そして、もう1つの重要な要素は「投資期間」だといえます。投資期間は短期・中期・長期と分かれており、それぞれの投資期間におけるリスクとリターンを把握できなければ利益を得るのは難しいといえるでしょう。

そこで、本記事では、各投資期間の特徴とメリット・デメリットにふれたうえで、実際の投資事例をみていきましょう。

投資期間とは

投資期間とは、投資家が資産を保持する期間を意味します。投資期間は、投資商品の特徴に加え、目標やリスク許容度、資金の流動性ニーズによって異なる点が特徴です。また、資金の大小に関わらず、投資期間を明確に設定することで、投資目的に合った戦略を立てやすくなります。

代表的な投資商品を投資期間で、簡単にわけると次のように分類可能です。

  • 短期投資(1年以内)

    • 株式:短期間の値動きを狙う
    • FX(外国為替取引):通貨の価格変動を利用する
    • オプション取引:特定の価格で売買する権利を取引する
  • 中期投資(1〜5年)

    • 投資信託:中期的な市場の成長を狙う
    • 企業債券:中程度のリスクで一定の利息を得る
    • 不動産:賃貸収入や資産価値の上昇を狙う
  • 長期投資(5年以上)

    • 株式:企業の長期的な成長を見越した投資
    • インデックスファンド:市場全体の成長を狙う
    • 不動産:長期的な資産価値の上昇を狙う
    • iDeCo:老後資金

投資商品の中でもNISAは短期から長期まで対応しており、一般NISAは短期〜中期、つみたてNISAは長期に分類されます。カンムが提供するPoolも短期から長期まで対応できるため、ニーズに合わせて投資期間を決められる点はメリットです。

各投資期間ごとの特徴とメリット

各期間のメリットやデメリットなどを簡易的にまとめた表から、各投資期間の傾向を知っておきましょう。

投資期間 特徴 メリット 代表的な投資商品

短期投資(1年以内)

・高い流動性 ・高いリスク
・高いボラティリティ

・迅速な利益確定
・多くの投資機会
・短期間で資金回収可能

・株式
・FX(外国為替取引)
・オプション取引

中期投資(1〜5年)

・中程度の流動性
・中程度のリスク
・中程度のボラティリティ

・安定性の向上
・一定の流動性
・複利効果の享受

・投資信託
・企業債券
・不動産
・定期預金

長期投資(5年以上)

・低い流動性
・低いリスク
・低いボラティリティ

・リスク分散
・複利効果の最大化
・安定したリターン

・インデックスファンド
・長期目線の株式投資
・不動産

Poolに関しては、短期であれば2ヶ月単位での定期的な資金の引き出し、中期・長期投資では流動性を高めるため、他の投資商品と併用する方法が検討できます。

投資期間における投資商品の特徴

ここでは、各投資期間における投資商品のメリットやデメリットについてみていきましょう。各投資期間で資産形成や資産運用する場合の代表的な選択肢を記載しています。

短期投資(1年以内)

短期投資に向いている投資商品の特徴とメリット・デメリットは以下のとおりです。短期間での利益確定を目指す投資戦略であり、高い流動性とボラティリティが特徴です。

投資商品 特徴 メリット デメリット

株式

株価の短期的な変動を利用して利益を狙う。デイトレードやスイングトレードが一般的。

迅速な利益確定が可能。
株価の急上昇を捉えることができる。
短期間で結果が出るため、資金の回転が速い。

高いリスクとボラティリティ(価格変動) 。
市場を常に監視する必要があり、精神的な負担が大きい。
頻繁な売買に伴うため、取引コストが増加する

ETF

株式のように市場で取引されるため、短期的な売買ができる。

短期的な市場の変動を利用して利益を狙える。
取引コストが比較的低い。
多様な市場や分野に分散投資が可能。

高いボラティリティ。
市場の監視が必要。
特定のセクターに集中するとリスクが増加する

FX

通貨の価格変動を利用して利益を狙う。24時間取引が可能で、レバレッジを利用できる。

高い流動性がある。
24時間取引可能。
レバレッジ効果により小さな資金で大きな取引が可能。

高いリスクとボラティリティ。
レバレッジに伴う損失リスク。
市場の監視が必要

Pool

2ヶ月の運用後は迅速に引き出せるため、流動性を高められる。短期的な資金需要に対応できる。

流動性が高い。
短期的な資金需要に対応可能。

運用利率が年利2%と比較的低い

※税引前の数字です。運用成果を保証するものではありません。

中期投資(1〜5年)

中期投資に向いている投資商品の特徴とメリット・デメリットは以下のとおりです。中程度の流動性とリスクが特徴であり、複利効果を活用して資産を増やすことを目指します。

投資商品 特徴 メリット デメリット
株式企業の成長や市場の動向を見越して1〜5年間株式を保有。バリュー投資や成長投資が有効な選択肢となる。

企業の成長を見越した投資で、安定したリターンを期待できる。
短期よりもリスクが低く、安定した運用が可能。
配当金や株主優待を享受できる。

市場の変動に左右されるリスクがある。
資金が数年間拘束される。
市場環境の変化に影響を受ける可能性が高い

投資信託複数の資産に分散投資することでリスクを低減。プロのファンドマネージャーが運用を担当。

分散投資によりリスクを低減。
プロの運用による安定したリターンが期待できる。
小額から投資可能。

市場の変動に影響される。
資金が数年間拘束される。
低額だが運用手数料が発生する

ETF特定の分野や市場の成長を見越して中期的に保有できる。

分散投資によりリスクを低減。
中期的な市場の成長を享受。
低コストでの取引が可能。

選ぶ商品によっては 資金が数年間拘束される。
市場の変動リスクがある。
特定の分野に集中するとリスクが増加する

債券一定期間後に元本と利息が返還される投資商品。企業や政府の債券が一般的。

安定した利息収入が得られる。
比較的低リスク。
元本の安全性が高い。

インフレリスク。
資金が拘束される。
利回りが低い場合がある

定期預金一定期間預けることで利息が得られる

元本が保証され、安定した利息が得られる。
リスクが低く、計画的に資産を運用できる。

インフレに弱く、実質利回りが低くなる可能性がある。
資金が一定期間拘束される

不動産賃貸収入や資産価値の上昇を狙う。

物件・土地の価値上昇が期待できる。
賃貸収入が得られる。

流動性の低さ。
資金の固定化。
維持費や修繕費がかかる

Pool一定の流動性を確保しながら、再投資を続けることで数年間の資産運用できる。

資金の流動性を維持できる。
定期的な資金の引き出しが可能。

運用利率が年利2%と比較的低い

※税引前の数字です。運用成果を保証するものではありません。

長期投資(5年以上)

長期投資に向いている投資商品の特徴とメリット・デメリットは以下のとおりです。長期投資は、複利効果を最大限に活用することで安定したリターンを追求することが目的といえます。リスク分散がしやすく、長期的な市場の成長を享受できる点が特徴です。

投資商品 特徴 メリット デメリット
株式企業の長期的な成長と市場の上昇を見越して5年以上株式を保有できる。

複利効果を最大限に活用できる。
長期間にわたるリスク分散が可能。

資金が長期間拘束される。
長期間の経済環境の変化や市場変動リスクにさらされる。

投資信託10年以上の期間にわたって資産を運用。インデックスファンドなどが代表的。

長期的な市場の成長を見越した投資が可能。
複利効果により資産が増加する。
プロの運用による分散投資が可能。

資金が長期間拘束される。
長期的な市場の変動リスクにさらされる。
運用手数料が発生する。

ETF長期のETF投資では、市場全体の成長を狙う。

長期的な市場の成長を享受。
低コストで分散投資が可能。
税制優遇措置の適用がある場合がある。

資金が長期間拘束される。
長期的な市場の変動リスクにさらされる。
特定のセクターに集中するとリスクが増加する。

債券10年以上の期間にわたって投資を行い、利息を獲得することが目的。

安定した収入が得られる。
長期的な資産保全が可能。
元本の安全性が高い。

利回りの低さ。
資金が長期間拘束される。
インフレリスク。

不動産長期的な不動産投資では、賃貸収入や資産価値の上昇を目指せる。

安定したキャッシュフローが得られる。
長期的な資産価値の上昇が期待できる。

流動性が低い。
Pool長期的な資産運用を補完するために利用できる

緊急時の流動性確保ができる
資金を柔軟に運用可能

運用利率が年利2%と比較的低い

※税引前の数字です。運用成果を保証するものではありません。

投資期間の選び方

ここでは、投資期間の選び方についてみていきましょう。目的やリスク許容度など自分のニーズに合わせることが大切です。

1. 目的とゴールに応じた期間の選定方法

まずは、目的とゴールに合わせた投資期間の選び方を解説します。

  • 短期的な目的(1年以内)

    • 目標:旅行資金や家電購入など、近い将来に必要な資金を貯める。
    • 選定方法: 株式、ETF、FX、Poolなど、流動性の高い商品を選び、迅速に資金を回収できるようにする。
    • Poolの活用:突発的な資金ニーズに備えて、即時に使用できる資金をPoolに投資しておく。
  • 中期的な目的(1〜5年)

    • 目標:結婚資金、車の購入、子供の教育資金など、数年以内に必要となる資金を準備する。
    • 選定方法:株式、投資信託、債券、不動産など、安定したリターンが期待できる商品を選ぶ。
    • Poolの活用:定期的な資金の引き出しや予備資金の確保にPoolを利用する。
  • 長期的な目的(5年以上)

    • 目標:住宅購入、老後資金、子供の大学費用など、長期的に必要な資金を計画的に準備する。
    • 選定方法:株式、長期投資信託、iDeCo、不動産など、複利効果を最大限に活用できる商品を選ぶ。
    • Poolの活用:緊急時の流動性確保や柔軟な資金管理のため、長期投資の補完としてPoolを利用。

2. リスク許容度に応じた投資期間の選択方法

次は、リスク許容度に基づいた投資期間の選び方を解説します。

  • 高リスク許容度

    • 特徴: 市場の変動を積極的に受け入れ、高いリターンを狙う。
    • 適した期間: 短期〜長期(株式、FX、リスクの高いETF)。
    • Poolの活用:緊急時の資金確保や柔軟な資金移動に使用する。
  • 中リスク許容度

    • 特徴: 一定のリスクを受け入れ、安定したリターンを目指す。
    • 適した期間:中期〜長期(投資信託、ETF、債券)。
    • Poolの活用:リスク分散のため、必要に応じて資金をPoolで管理する。
  • 低リスク許容度

    • 特徴:リスクを最小限に抑え、安全な投資を目指す。
    • 適した期間:中期〜長期(債券、不動産、iDeCo、低リスクの投資信託)。
    • Poolの活用:急な出費や予期せぬニーズに備えてPoolを活用し、流動性を確保。

3. ライフステージに基づく期間の設定

最後は、ライフステージに合わせた投資期間の選び方を解説します。

  • 若年期(20〜30代)

    • 特徴:長期の投資期間を確保しやすいため、高リスク高リターンの投資が可能。
    • 目標:資産の増加、キャリアアップ、結婚資金。
    • Poolの活用:一部の資金をPoolで管理し、予期せぬ支出に対応する。
  • 中年期(30〜50代)

    • 特徴:安定した収入を背景に、資産形成のピークを迎える。
    • 目標:子供の教育資金、住宅ローン返済、老後資金の準備。
    • Poolの活用:中期〜長期の資産運用に加え、必要な時に柔軟に資金を動かす資金管理に活用する。
  • 高年期(50代以降)

    • 特徴:退職が近づき、リスクを抑えた運用が求められる。
    • 目標:退職後の生活資金、医療費の準備。
    • Poolの活用:緊急時の流動性確保のためにPoolを利用する。

期間ごとの実際の投資事例

ここでは、期間ごとの投資事例についてみていきましょう。

短期投資(1年以内)

Aさんは、数か月で旅行資金を貯めるため、株式とETFに投資を行いました。目標額に達した時点で売却し、資金を確保に成功しました。短期投資では流動性の高い商品を選び、短期間で利益を確定させることが重要だといえるでしょう。

中期投資(1〜5年)

Bさんは、3年後の結婚資金を貯めるため、毎月投資信託に積立を行い、目標額を達成しました。また、必要なタイミングで資金を引き出すために「Pool」を活用したことで、資金の流動性も確保しています。

長期投資(5年以上)

Cさんは、老後資金を準備するため、インデックスファンドと不動産に20年以上投資を行いました。結果として、資産を大きく増やすことに成功しました。複利効果を活かし、長期的な資産成長を目指すため、市場の変動を気にしすぎないことが大切です。

まとめ

投資期間は、短期、中期、長期の3つに分かれ、それぞれの期間に適した投資商品や戦略があります。自分の目的やリスク許容度、ライフステージに応じて投資期間を選定し、ニーズに合った商品を選ぶことが大切です。具体的な投資事例を参考にしながら、自分に適した投資戦略をみつけましょう。

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