固定利回り投資の種類とは。具体的な投資方法と事例まで解説
2024.09.13固定利回り投資は、安定したリターンを求める投資家にとって魅力的な選択肢の1つです。市場の変動に左右されず、事前に設定された利回りを得られるため、安定的なリターンが期待できます。
しかし、具体的な投資方法が把握しきれていないというケースも多いのではないでしょうか。
本記事では、債券やPoolなどの固定利回り投資の代表的な種類や具体的な投資方法、実際の事例について詳しく解説します。とくに、すでに投資をスタートしている方やリスクを抑えつつ資産を増やしたいと考えている方は参考にしてみてください。
固定利回りとは何か?
まずは固定利回りの概要から解説していきます。固定利回りは、株式市場やコモディティ市場などのリスク資産と比べて、価格変動は小さい傾向です。そのため、市場の不安定さによって、ボラティリティが高まる局面でも、投資家に安定したリターンを提供できます。
たとえば、株式市場が急落すると予想し、固定利回り商品に投資しておくといったリスク軽減の方法もあります。
固定利回りの特徴
固定利回りとは、「あらかじめ設定された利回りが投資を行っている間は固定されていること」を意味します。そのため、投資家は将来得られる利益を予測でき、安定したリターンを期待できる点が魅力です。
仮に、市場の金利や経済状況が変動した場合でも、固定利回り商品では、設定された利回りに基づいてリターンを得られます。たとえば、年利3%の債券を購入した場合は、債券が満期を迎えるまでの間、毎年3%の利息を受け取れるでしょう。
固定利回り投資の3つのメリット
固定利回り投資のメリットは次のようになります。とくに、市場の状況に影響されないため、複数の商品を併用して運用する場合も選択肢の1つとして検討しやすいでしょう。
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安定性が高い:市場の変動や経済状況に左右されず、一定の利回りを提供するため、安定したリターンが期待できます。とくに、長期的な資産形成を目指したい場合には、活用しやすい手段です。
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リスク管理が容易:予測可能なリターンを得られることから、リスクを抑えた運用が可能です。リスク回避を重視する投資家にとって、活用しやすい投資手法となります。
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多様な投資手段と組み合わせられる:固定利回り投資には、債券や貸付ファンド、金銭信託、クラウドファンディング、カンムのPoolなど、多様な手段があります。選択肢が多いため、投資家は自分のリスク許容度や投資目的に応じた選択をしやすい点もメリットです。また、株式投資やNISAといった投資方法とも組み合わせやすいため、分散投資を実施したい場合にも適しています。
固定利回りの投資方法
ここでは、具体的な固定利回りの投資方法について解説していきます。それぞれの金融商品の特徴を把握したうえで、運用や併用を検討してみましょう。
債券投資
債券投資は、政府や企業が資金調達のために発行する債券を購入し、一定の利回りを得る方法です。債券は、発行者が定期的に利息を支払い、満期時には元本が返済されるという仕組みで運用されています。債券の利回りは、購入時の価格と満期時の償還額に基づいて計算されるため、リターンが予測しやすいといえるでしょう。
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メリット:債券投資のメリットは、安定性です。債券は、発行時に決まった利率で利息が支払われるため、リターンが予測しやすいといえます。政府や企業が発行するため、比較的信頼性が高く、元本保証の商品が多い点もメリットです。
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リスク:債券投資には、市場金利の変動による価格リスクが存在します。仮に、市場金利が上昇した場合で売却する場合は、既発行の債券の価格が下落し、売却時に損失となる可能性も否定できません。また、企業が発行する債券の場合は、発行者の財務状況が悪化すると、利息の支払いが滞るリスクも予想されます。
貸付ファンドへの投資
貸付ファンドは、投資家から集めた資金を企業や個人に貸付、利息収入を投資家に分配する形式の投資商品です。貸付先の企業や個人が支払う利息は、あらかじめ設定された固定利回りとして投資家に還元されます。そのため、投資家は安定したリターンを得られることから、リスクを抑えつつリターンを求める投資家に適しています。
金銭信託とクラウドファンディング
金銭信託とクラウドファンディングは、いずれも投資家が比較的少額の資金を出資して、運用益やリターンを得る形式の金融商品です。では、具体的な特徴とメリットをみていきましょう。
金銭信託
金銭信託は、信託銀行が投資家の資金を預かり、一定の方針に基づいて資産運用を行います。そして、運用益を投資家に分配するという金融商品です。金銭信託には、「固定利回り型」が存在しており、運用開始時に利回りが確定するため、予測可能な収益を得ることができます。
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メリット:運用開始時にどれだけの利回りが得られるかを知ることができるため、長期的な資産形成に活用しやすくなります。
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リスク:市場環境の変動によっては、元本割れのリスクがある点は知っておきましょう。
クラウドファンディング
クラウドファンディングは、インターネットを通じて多数の投資家から資金を集め、特定のプロジェクトや企業に投資する仕組みです。クラウドファンディングには、リターンとして固定利回りが設定されている商品もあり、投資家は事前に決まった利回りを受け取ることができます。
現在では、貸付ファンドに特化したオンラインプラットフォームもあり、投資家に少額からの投資機会を提供しています。投資先となる企業やプロジェクトは厳格な審査を経て、選定されているため、投資家にとって比較的安全な環境が提供されている状況です。
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メリット:小額からでも投資を始められる点が大きな魅力です。また、特定のプロジェクトや企業に直接投資するため、自分が支援したい分野や企業を選んで投資できます。
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リスク:プロジェクトが失敗した場合には元本割れのリスクが高まります。また、企業やプロジェクトの信用力に依存するため、投資前に十分なリサーチとリスク把握が必要です。
Poolで固定利回りを実現する
ここでは、固定利回りを実現できる投資商品として、Poolについてみていきましょう。Poolの特徴を把握することで、他の長期投資商品と併用するなどの選択肢が取りやすくなります。
Poolの基本概要
カンムが提供するPoolは固定利回りの投資とクレジットカードが一体となったサービスです。投資家から集めた資金を事業に投資し、運用成果をもとに年利2%※のリターンが期待できます。投資家は少額から投資できるため、金額の調整がしやすく、短期・長期的どちらの視点からでも運用可能です。
また、Poolは、クレジットカード業界の国際的セキュリティ基準(PCI DSS)の最新版であるPCI DSS v4.0に準拠しています。たとえば、公開中のWebアプリへの不正アクセスやオンラインスキミング防止の要件に対応していることから、投資家にとってリスクを軽減した決済基盤を整えています。
※ 税引前の数字。運用成果を保証するものではありません。Poolの利用方法
Poolの利用方法は、オンラインでアカウントを作成するところからスタートします。本人確認などを経て登録した後は資金を入金し、ファンドを選択して、投資をスタートするという流れです。Poolを運用するタイミングでは、次のようなメリットがある点も把握しておきましょう。
- 少額からの投資が可能
- 固定利回りで値動きがない
- 2ヶ月の短期運用
- 預け入れた資金はショッピングのカード枠として使用できる
値動きのリスクがないことに加え、流動性も高いため、「他の長期投資と併用しながら、日常生活の資金管理もしたい」という場合に適しています。また、短期投資の視点からの運用も可能であるため、複数の資産を同時に運用する際も選択肢の1つとして、検討しやすいといえます。
固定利回りを活用した資産形成の実例
固定利回り投資は、安定したリターンを目指す投資家にとって効果的な手段です。ここでは、固定利回り投資を中心に、他の金融商品との併用による成功事例を紹介します。
債券と金銭信託の併用による安定的なリターンの確保
政府発行の国債と固定利回り型の金銭信託を組み合わせた投資方法も選択肢の1つです。国債はリスクが低く、定期的な利息収入を期待できるものの、利回りは比較的低いといえます。
そのため、固定利回り型の金銭信託にも投資することで、デメリットをカバーしています。信託銀行が運用する金銭信託は、国債よりも高い利回りを得られるため、投資の効果よりを高めるられるでしょう。債券と金銭信託の組み合わせは、リスクを分散しつつ、計画的に資産を増やす投資方法として有効な手段の1つだといえます。
クラウドファンディングと債券投資の併用
クラウドファンディングと債券を併用して投資する方法もあります。クラウドファンディングは、小額から投資可能できることに加え、特定のプロジェクトや企業に対してリスクを分散可能です。
たとえば、社会的意義の高いプロジェクトに投資したうえで、リターンの安定性を求めて国債にも投資する方法も可能です。バランスの取れた投資ポートフォリオによって、リスクを抑えながらも予測可能なリターンを確保しています。
Poolと社債の併用
投資資産を複数の資産クラスに分散する、短期的な市場の変動に左右されず、長期的な視点で資産形成を行う場合は、Poolと社債の併用も効果的な投資方法です。
たとえば、Poolで年利2%※の固定利回りを確保しつつ、年利3%の信用力の高い企業の社債を運用する活用方法が考えられます。また、特定の業界に特化せず、異なる業界の複数の企業に分散させた場合には、企業の倒産リスクも軽減可能です。
※ 税引前の数字。運用成果を保証するものではありません。固定利回り投資のポイント
固定利回り投資で、注意したいポイントについて解説していきます。たとえば、リスク管理の方法として、毎年または半年ごとにリバランスを実施するルールを儲けた場合は、長期的な視点で安定したポートフォリオ運用が可能です。
ポートフォリオのバランスを考慮したリスク管理を行う
固定利回り商品を活用する場合は、ポートフォリオ全体のリスクとリターンのバランスを考慮しましょう。固定利回り商品は、安定したリターンを獲得しやすいといえます。しかし、単一の資産に集中投資した場合には、リスク分散が不十分になる可能性があります。そのため、次のような投資方法を検討しましょう。
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複数の資産クラスへの分散投資:固定利回り商品を中心に据え、株式や不動産などの変動リスクがある資産クラスも取り入れるとリスクとリターンのバランスを取りやすくなります。また、固定利回り商品の安定性を活かしながら、市場の成長から得られる高いリターンも期待可能です。
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リスクが異なる固定利回り商品を組み合わせる:固定利回り商品にもリスクが異なるものがあります。たとえば、政府が発行する債券はリスクが非常に低い一方、企業債券や社債はやや高いリスクを伴うものの、高い利回りが期待できます。リスク分散を図りつつ、ポートフォリオ全体の収益性を高めることもできるでしょう。
定期的なリバランスによるポートフォリオの最適化を実施する
ポートフォリオのリバランスは、時間の経過や市場の変動によって変わってしまった資産配分を、当初設定した目標の割合に戻すことを意味します。固定利回り商品を含むポートフォリオを長期的に運用する際に、リバランスが必要な理由は以下のとおりです。
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リスクの制御:時間が経つにつれて、さまざまな資産クラスが異なる速度で成長するため、ポートフォリオのリスクプロファイル(リスクの全体像)が変わってしまうケースがあります。たとえば、株式市場が好調である場合は、株式の割合が増加し、リスクが高まるでしょう。しかし、リバランスによって元の資産配分に戻せば、リスクを制御し、ポートフォリオ全体のバランスを保つことにつながります。
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目標に沿った運用:リバランスは、投資家の目標に沿った運用を維持するためにも重要です。たとえば、退職後の安定収入を目指している場合は、固定利回り商品の割合を高めに設定すると予想されます。しかし、株式が急上昇した場合、株式の割合が過剰に増えてしまうケースも少なくありません。そのため、リバランスによって固定利回り商品の割合を元に戻すことで、目標に沿った運用を続けやすくなります。
まとめ
固定利回り投資は、安定したリターンを提供し、市場の変動に対する耐性が高いことから、長期的な資産形成に役立ちます。予測可能なリターンを得ながら、ポートフォリオ全体のリスクを分散し、安定性を確保できるといえるでしょう。
特に、リスクを抑えつつ堅実に資産を増やしたい場合には、固定利回り投資は活用しやすい選択肢です。他の投資商品と併用しながら運用できるため、自分の目的に合わせて投資方法を検討してみましょう。