匿名組合とは? メリットとデメリットをわかりやすく解説

2024.08.08

匿名組合は、企業と投資家の契約形態の1つです。しかし、どういった契約の内容なのか明確に把握できていないというケースも多いのではないでしょうか。本記事では、匿名組合の概要と具体的なメリット、デメリットについてみていきます。

匿名組合とは、出資者が匿名で資金を提供し、営業者がその資金を使って事業を行う契約形態を意味する言葉です。出資者は利益配分を受け取れるものの、事業経営には関与しません。そのため、専門的な事業運営の知識やスキルがなくても投資が可能となります。

匿名組合の契約は、電子や書面で締結され、利益配分の割合や契約期間が明記されます。

※ 営業者とは、匿名組合において出資者から提供された資金を使って事業を運営する責任者。営業者は出資者の代わりに事業を行い、利益を出資者に配分する。営業者は事業の具体的な運営や管理を行い、事業の成功に対して直接的な責任を負う。匿名組合では、営業者が事業者としての役割を果たす。

匿名組合のメリット

ここでは、匿名組合のメリットについて解説します。とくに、有限責任である点や運用の手間が掛からない点は多くの出資者から注目を集めています。

匿名で出資ができる

匿名組合では、出資者の名前や個人情報が公にされないため、他の投資やビジネスに影響を与えることがありません。加えて、ビジネス上の競合他社や利害関係者からの干渉を受けることなく投資を行えます。

また、匿名性はトラブル回避にも役立ちます。事業が失敗した場合や不正行為が発生した場合であっても、出資者は個人情報が公にされない点はメリットです。

出資は有限責任となっている

出資者は、出資額以上の損失に対して、責任を負いません。そのため、大きな損失を被る可能性が低くなります。仮に、損失が発生するような事態があっても損失額が出資額内に限定される点はメリットです。

たとえば、出資者が200万円を出資し、運用に失敗したとしても損失は200万円以内で収まるということになります。

投資後の手間を省ける

匿名組合の出資者は、投資後の事業運営には参加する必要がありません。そのため、出資者は事業運営や管理を行う必要がなく、時間と労力を節約できます。事業の専門知識がなくても、事業者に運営を任せることで投資が可能になる点はメリットです。

また、複数の投資案件に分散投資することが簡単になるため、リスク管理が可能です。出資者は、自身の他の活動に専念しながら、運用が成功した場合に利益を受け取れます。

匿名組合のデメリット

ここでは、匿名組合のデメリットについてみていきましょう。出資者は元本割れの可能性がある点や事業運営に関与できない点を意識する必要があります。

元本割れの可能性がある

匿名組合の出資者は、出資金額を超える損失を負うことはありません。しかし、元本が減少する可能性はあります。たとえば、営業者の事業が予定通りに進まなかった場合は、出資金の一部または全額を失う可能性がある点はデメリットです。

なお、Pool は投資した資金をファンドとして運用しており、これまでの全てのファンドでは、元本割れが発生していません。

※ 2024年6月末時点で運用が終了したPoolの全23ファンド

営業者のコントロールができない

出資者は事業運営に直接関与できないため、営業者の意思決定や経営戦略に影響を与えられません。営業者が適切な経営を行わなければ、出資者の利益が減少するだけでなく、出資金の損失につながるリスクもあります。

また、営業者は契約上、出資者に対して運営の詳細を報告する義務があるものの、出資者が経営判断に関わる権利はありません。

流動性が低い

匿名組合の出資持分は自由に売買できないため、投資資金を迅速に現金化できないケースが多くなっています。たとえば、予期せぬトラブルや資金が必要となった場合には、長期間にわたって資金が拘束されることも少なくありません。

なお、Pool の場合は2ヶ月の短期運用であるため、資金が長期間にわたって拘束それることはありません。そのため、匿名組合における流動性の低さはカバーできる仕組みとなっています。

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